副題に「国家的非常時における地域行政の課題」とあるとおり、たまたまあの日石巻に居合わせた農水官僚が、その後、目の当たりにした石巻市役所の対応から、今回の震災対応における課題を記した本。
p26
「市職員は、水没した市役所の中で、必死にできることを模索したが、外部との通信手段が限られ、往来がほぼできない状況の中では、情報は入ってきても、「ほとんど何もでいなかった」と複数の関係者が認めている。」
「市防災対策課にこうした無線システムが集中していたことは、その後、あらゆる連絡が防災対策課に集中し、情報の伝達のつまりや、伝達ミスが起きることともなった」
p27 避難者1300人の石巻高校でのこと
「市職員6名がつめていたが、避難者のための飲料水の運搬など、住民やボランティアに頼める仕事まで市職員が担っており、手が回らない状況になっていた。市職員は、「被災者にはお願いできない」という」
p38 3/16
「市災害対策本部を傍聴したが、肝心の議論がなされていないように感じた。」
p41 3/16
「・・・冷凍された牛肉などが届いているものの、炊き出しが行われていないため、お湯がなく、こうした食品を消費でいない状況が続いており、食料供給が安定しない一因となっていた」
市職員や避難所運営にかかわる学校関係者の疲労が深刻になる中で、自分たちでできることは自分たちでやる仕組みを作る必要があったが、「目先の対応で手一杯で、そうした仕組みを一緒につくっていこうという状況ではなかった」
p51 3/18
門脇中カップヌードル事件
=安住議員が大震災以後、避難者が温かい食事をとっていないことを考え、カップヌードルをこの日食べれるよう自衛隊などを使って段取りしたが、避難所を運営している学校関係者には急な話だったためことごとく断られる=準備していた自衛隊にもてっしゅうしてもらう。
p65 がれき撤去に関する縦割りの弊害
市道を中心とする道路や公園などにあるガレキ=市建設部
瓦礫処理全体=市生活環境部
p136-137 4/6
災害救助法に基づく避難所の供与等の事務について、3月下旬に宮城県は石巻市に委任。
⇒しかし、市長をふくむ市の幹部はこの委任について知らず。
p149-150
「医療については、そもそも怪我人などが少なく、現状は慢性の患者への対応が中心になっている。そこは介護の領域との境界であり、そこのマンパワーが不足している」
p158 劣悪な避難所環境(医師・看護師からの告発)
「避難所の運営は「保護課」、福祉は「介護保険課」、建物管理は「教育委員会」、トイレは「生活環境部」、食料は「産業部」など、市の体制は縦割りが過ぎる。・・・略・・・単純なことでも意思決定が遅すぎる」
p179 古い情報で混乱も
「東京や仙台から比較的短期で訪ねてきた人が、・・・略・・・ネットなどで情報発信し、それが必ずしも最新の状況を反映してないということがママあるようだ」
p198
4月20日より復旧していた地元の弁当業者に委託し、避難者への弁当配布が始まる。
p212
「大震災発生から一カ月以上が経過し、市が判断しなければ前に進めない事案が多くなってきた」
「私自身振り返ってみると、…略…初動期の1週間、2週間の目の回るような忙しさを経て、1か月を過ぎたあたりから、緊急時対応という業務量は落ちていった」
売れない炊き上げごはん
関連リンク
http://www.maff.go.jp/primaff/koho/seika/review/pdf/primaffreview2012-50-6.pdf[0回]
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