東日本大震災の被害が大きかった東北3県の医師を対象にした意識調査で「健康状態が良くない」との回答が福島19.4%、宮城14.1%、岩手12.8%に上ることが10日分かった。特に福島は震災前に比べ3.5倍の高さ。震災でストレスを感じるとの回答も福島で62.9%に達し、宮城51.6%、岩手39.2%に比べ際立つ結果となった。
調査した日本医師会総合政策研究機構(日医総研)は「医師不足の中で過酷な勤務を長期間続けているほか、福島では東京電力福島第1原発事故によるストレスの影響もあるのではないか」とみている。
3県で2012年8月下旬から9月中旬にかけて調査した。医師7717人に用紙を配布し、回答率は39.1%。
以前の健康状態についてもさかのぼって質問しており、震災前に「良くなかった」との回答は福島5.6%、宮城6.3%、岩手7.0%。震災後に宮城は2.2倍、岩手は1.8倍と急増した。
現在の健康状態が良くないと答えた割合は、津波で大きな被害を受けた沿岸部で高く、岩手では県全体の12.8%に対し、沿岸部は23.0%。同様に宮城は14.1%に対し15.4%、福島は19.4%に対し23.6%だった。
ストレスを感じているとの回答は3県全体で52.0%。沿岸部で見ると、福島72.2%、岩手65.5%、宮城58.1%だった。
現在の地域で診療を続けたいかを質問したところ、3県全体で86.5%が「そう思う」と回答。ただ、医師不足を強く感じる医師ほど現在の地域で診療を続けたくないと考える傾向があった。
日医総研は「被災地に継続的に医師を派遣しなければ、地域医療を担う人材が流出する恐れがある」と懸念している。
2013年02月11日月曜日
http://www.kahoku.co.jp/news/2013/02/20130211t75004.htm[0回]
PR