数土氏「東電の会長就任あり得ない」
2012/5/24 18:06
NHKの数土文夫経営委員長は24日夕の臨時記者会見で、NHKの経営委員長を辞任することで東京電力の常勤役員に就く可能性について「専任や常駐などまったくそういう気はない」と語った。自分の管掌は「社外取締役という役職に限られる」と説明。そのうえで「常駐勤するつもりは毛頭ない」と述べた。今後会長職に就く可能性も「あり得ない」と否定した。
視聴者による兼職批判が辞任理由の1つか問われると「ノーだ」と否定。「経営者の判断はなかなか人には説明することはできない。経営者はいろんなステークホルダーの方々に対し配慮することが必要だ」と話した。〔日経QUICKニュース〕
http://www.nikkei.com/news/latest/related-article/g=96958A9C9381949EE0E6E298E08DE0E6E2E7E0E2E3E0E2E2E2E2E2E2
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数土NHK経営委員長が辞任表明 東電取締役専念
2012/5/24 21:12
NHKの数土文夫経営委員長(71)は24日、東京都内で記者会見し委員長と経営委員を辞任すると表明した。6月末に就任予定の東京電力社外取締役に専念する。数土氏がNHKのトップと東電取締役の職を兼ねることには、報道機関としての中立性を損なうとの指摘が出ていた。近く正式な辞表を首相に提出する。
記者会見する数土氏(24日、東京都渋谷区)
数土氏は記者会見で「経営委員長と経営委員を速やかに辞任する」と述べた。東電の社外取締役に専念する理由については「東電の再スタートは国民に影響する。つまずくことがあれば壊滅的な状況になるとの思いが強くなった」と話した。
22日の記者会見では放送法の規定に抵触しないことを理由に「(兼職は)問題ない」との考えを示した。その後、経営委メンバーなどと意見を交換し「自ら(進退を)決断した」という。視聴者から批判的な意見が数多く届いたことにも配慮したとしている。
数土氏の突然の辞任で後任の委員長選びに時間がかかることが予想され、NHK経営委員長は空席になる公算が大きい。委員長の空席は数土氏の前の委員長だった小丸成洋氏が会長人事の迷走で2011年1月に引責辞任して以来となる。
数土氏はJFEホールディングス社長を経て、現在は相談役。2011年3月にNHKの最高意思決定機関である経営委の委員に就任した。同年4月に委員長に選ばれ、受信料の引き上げ、コスト管理の徹底といった経営課題に取り組んだ。
NHK経営委には会長の任命のほか、NHKの経営方針や予算を決める権限がある。そのため原発問題などを抱える東電の社外取締役を兼ねた立場では、報道機関としての中立性が損なわれるとの指摘が出ていた。
数土氏の辞任表明を受け、NHKの松本正之会長は「熟慮されて自ら結論を出されたことだと思う」とのコメントを発表した。
http://www.nikkei.com/news/latest/article/g=96958A9C93819696E0E6E29C828DE0E6E2E7E0E2E3E09F9FEAE2E2E2
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NHKと東電、数土氏の兼職が波紋 中立性問う声
2012/5/23 0:51
東電の社外取締役就任について記者会見するNHK経営委員会の数土委員長(22日午後、東京都世田谷区)
NHKの数土文夫経営委員長が東京電力の社外取締役に就く人事が波紋を広げている。放送法の規定で兼職は問題ないとされるが、公共放送の経営トップが東電の経営に携わることを疑問視する声があるためだ。22日に記者会見した数土氏は「問題ない」と強調したが、実際に兼職するかは2週間後に開く次回委員会後に判断すると、結論を先送りした。
■放送法では禁止せず
「番組に影響は出ない」。会見で数土氏は東電の下河辺和彦次期会長から就任要請を受けた経緯を明かした上で、兼職についての考えを示した。
放送法はNHKと利害関係が生じる可能性のある企業や団体に所属する人材が経営委員に就くことを禁止している。電力会社は対象に含まれていないため、川端達夫総務相や枝野幸男経済産業相らは数土氏の兼職を「問題なし」としている。
しかし自民党総務部会は「兼職は報道の中立性を損ねかねない」とし、数土氏の国会招致を検討。NHK職員が加入する日本放送労働組合も社外取締役就任に反対する声明を発表した。
東京電力の新しい社外取締役
数土 文夫 NHK経営委員長、
JFEホールディングス相談役
藤森 義明 住生活グループ社長
小林 喜光 三菱ケミカルホールディングス社長
能見 公一 産業革新機構社長
樫谷 隆夫 公認会計士
2007年に成立した改正放送法ではNHKの経営委員について、個別の放送番組の編集に関わることはできないとの規定が盛り込まれた。
しかし同年、経営委員長に就いた古森重隆富士フイルムホールディングス社長がNHKの国際放送について、「外国向けの国際放送では政府の主張を優先すべきだ」と発言。選挙期間中の報道についても自身の考え方を述べ、「番組編成への介入だ」と批判を招いたことがある。中立性を問う声が出るのは、こうした経緯があるためだ。
「数土氏が東電の社外取締役に就けば、電力料金の値上げや原子力発電所の再稼働などの報道で影響が出ていると疑われかねない」とNHK幹部は言う。これに対して数土氏は「NHKは企業統制が効いている。経営委員長は番組編成には干渉できない」と反論した。
NHKは東電の社債約132億円を保有している。経営委員会はNHKの最高意思決定機関。経営方針や予算などを議決する権限を持つため、利害関係が生じるとの見方もある。数土氏は会見で「(社債の扱いなど)予算をどう使うかは執行部が担っており、経営委員会として権限がない」と指摘した。
■来月に結論持ち越し
同日開かれた経営委員会には2人が欠席。「意見を述べ合うなら、次回の委員会でやった方がいいという提案があった」として、兼職に関する結論は6月5日まで持ち越した。「十分考慮した上で私自身が最終判断する」と語った数土氏。兼職を決めるには一定の時間を置くべきとの判断をしたものとみられる。
http://www.nikkei.com/news/headline/related-article/g=96958A9C93819696E0E0E2819A8DE0E0E2E7E0E2E3E09793E3E2E2E2;bm=96958A9C93819696E0E6E29C828DE0E6E2E7E0E2E3E09F9FEAE2E2E2
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