東電:賞与も値上げ分に 今冬147億円、人件費に計上毎日新聞 2012年05月29日 02時30分(最終更新 05月29日 07時48分)
家庭向け電気料金の平均10%超の値上げを枝野幸男経済産業相に申請している東京電力が、社員の今冬の賞与(ボーナス)147億円分を料金値上げの原価となる人件費に計上していることが28日分かった。福島第1原発事故の処理と賠償で財務内容が悪化し、国から1兆円規模の公的資金投入を受ける東電は今夏のボーナス支給は見送ったが、冬のボーナスに関しては「未定」としていた。
電気料金値上げの妥当性を審査している経産省の有識者会議「電気料金審査専門委員会」(委員長・安念潤司中央大法科大学院教授)は、東電に対し、人件費の一段の削減を通じた値上げ幅圧縮を促したい考え。同専門委は29日に会合を開き、人件費や修繕費などの計上が適正か審査するが、委員からは「公的資金を投入される立場を考慮し人件費を決めるべきだ」との厳しい声も出ており、冬のボーナスの大幅削減を迫られる可能性がある。
東電が経産省に示した資料によると、12年度はボーナスを147億円計上。13〜14年度も各290億円強のボーナス(夏・冬含み)を見込んでいる。東電は福島第1原発事故以降、社員の年収を20%(管理職は25%)削減したが、専門委では「実質破綻企業の合理化策としては甘過ぎる」との指摘が出ている。東電は燃料費や人件費などに一定の利益を上乗せした総額を基に、7月から家庭向け電気料金の平均10.28%値上げの認可を枝野経産相に申請している。【小倉祥徳】
http://mainichi.jp/select/news/20120529k0000m020110000c2.html東電:人件費など査定開始…経産省専門委
毎日新聞 2012年05月29日 21時35分(最終更新 05月29日 23時29分)
東京電力の家庭向け電気料金値上げを審査する経済産業省の「電気料金審査専門委員会」(委員長・安念潤司中央大法科大学院教授)の第3回会合が29日開かれ、料金の原価となる人件費などの査定を始めた。東電が今冬の賞与(ボーナス)147億円分を人件費に計上していることについて、委員からは「公的資金が投入される企業をどう見るかが論点」と指摘があり、今後の値上げ幅圧縮に向けて精査する見通しとなった。
東電は11年夏と冬のボーナスは前年比50%減とし、1兆円の公的資金投入が決まった今夏は支給を見送った。しかし今冬分のボーナスとして147億円、13〜14年度は各290億円強を見込んだ。
東電によると、ボーナスを含めた社員の平均年収は556万円。これは、他の業種を含めた従業員1000人以上の企業の平均年収(543万円)と同等と主張している。これに対し、今までの委員会では「他の企業と同じくらいでは、実質的に破綻している企業としてはあまりにもカット幅が小さい」と指摘が出ていた。
特にボーナスについては、03年7月に公的資金投入を受けたりそなホールディングスは、03年6月から05年3月を「集中再生期間」と位置づけ、その間の4回の支給を取りやめた。また、10年1月に公的資金を注入された日本航空も、09年冬から10年冬まで3回分がカットされた。
この日の会合で東電側は、今後のボーナスの扱いについて、「今後年俸制を導入する方針で、労組と協議している」と説明したが、同席した消費者団体の関係者からは「国民の批判は強い」との声が続出。安念委員長も「精査を検討する」と述べた。
料金原価ではこのほか、福島第1原発の原子炉の冷却機能維持のための費用を含めたことに一部委員から異論もあり、引き続き協議する方針だ。【小倉祥徳】
http://mainichi.jp/select/news/20120530k0000m020081000c2.html[0回]
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