震災関連死 原発原因の自殺調査 政府、実態把握へ 政府は、福島第1原発事故が原因となった自殺の実態把握に乗り出す。東日本大震災による関連死の原因調査の中で、原発事故と自殺の関連について調べる。6月末までをめどに調査を行い、8月中にも原因を分析し、対策を取りまとめる。
関連死に含まれる自殺件数は明確でなく、特に原発事故と自殺の関連は実態がほとんど明らかになっていない。政府は原発事故と自殺を関連死の原因として明確に位置づけ、実態に応じた対策につなげる考えだ。
復興庁によると、3月末現在、震災関連死者数は全国10都県で計1632人。最多は福島県の761人で、宮城県の636人、岩手県の193人が続き、3県で全体の約97パーセントを占める。
関連死の原因調査はこの福島、宮城、岩手3県を対象とし、原因の分類の一つに「自殺」を設ける予定だ。関連死者数の多い市町村を抽出して詳細に調べる。福島県は原発事故の影響を考慮し、避難指示が出た一部の市町村も加える。
具体的な調査方法は未定で、復興庁は「自治体の業務を増やさないようにする」としているが、市町村がこれまでに認定した震災関連死事例が基になるとみられる。
関連死と原発事故、自殺の関係を明らかにする初の調査となる。復興庁被災者支援班は「自殺も関連死認定による災害弔慰金の支給対象になっている。原発事故は地震、津波と並ぶ大きな災害と考え、調査対象から外せない」と説明している。
ただ、自殺はプライバシーの問題が大きく、復興庁は公表範囲を慎重に検討するとしている。
福島県の佐藤雄平知事は14日の県災害対策本部会議で「将来がしっかり見えない人たちの自殺や関連死が増える可能性がある。『人間の復興』も大事だ」と述べ、関係部局の連携による対策強化を指示した。
2012年05月16日水曜日
http://www.kahoku.co.jp/news/2012/05/20120516t71023.htm[0回]
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