以下、昨日ブログで紹介したインターネットニュース番組の内容のメモです。
【番組名】
マル激トーク・オン・ディマンド 第519回(2011年03月25日)
特別番組:あえて最悪のシナリオとその対処法を考える
出演:飯田哲也氏(NPO環境エネルギー政策研究所所長)、小出裕章氏(京都大学原子炉実験所助教)、松井英介氏(元岐阜大学医学部助教授)、青木理(ジャーナリスト)、宮台真司(社会学者、首都大学東京教授)、神保哲生(ビデオニュース・ドットコム代表)、矢ケ崎克馬(琉球大学名誉教授)
※インターネット上(
http://www.videonews.com/on-demand/511520/001784.php)でいつでも見ることができます。ただし全部聞くとなると約4時間かかります。
以下は番組を見て私が作ったメモです。長くなるので何回かに分けて投稿します。
【メモの目次】
番組の趣旨:パニックをあおるための番組ではない。東電や政府は大丈夫と言いながら少しずつ悪い状況になっている。だからこそ現段階で考えられる最悪のシナリオを考えて対処法を考えておいたほうが冷静な思考や対処ができると考えたから。
1.小出裕章氏(京都大学原子炉実験所助教)が考える最悪のシナリオ
2.飯田哲也氏(NPO環境エネルギー政策研究所所長)が考える最悪のシナリオ
3.被曝の説明と対処法 その1――矢ケ崎克馬(琉球大学名誉教授)
4.被曝の説明と対処法 その2――松井英介氏(元岐阜大学医学部助教授)
5.原発を可能にしてきた社会を問う――宮台真司(社会学者、首都大学東京教授)ほか
【内容】
1.小出裕章氏(京都大学原子炉実験所助教)が考える最悪のシナリオ可能性を否定できない最悪のシナリオは、原子炉内で水蒸気爆発が起き、大量の放射性物質が放出されることである。具体的には次のようなことが起こる可能性がある。
①冷却作業が間に合わず
→②燃料棒の温度が上がり溶け落ちる(メルトダウン)
→③溶け落ちた燃料棒の熱で格納容器の底が溶けて底が抜ける
→④建屋内にたまっていた水と反応して水蒸気爆発が起きる
→⑤爆発的に放射性物質が放出される
→⑥これがたとえば1号機で起こると、周辺の放射能濃度が高くなるので2~4号機でも作業ができなくなる。
→⑦他の号機もメルトダウンする。
要するに問題は原子炉本体をどうやって冷やし続けていくかという点。そこで最大のネックは被曝環境で作業をやらないといけないという点。次々起きる問題に短時間で対応しなければならない。これは非常に困難な作業である。おそらく現場は大変なパニックになっていると思う。
もし爆発が起こらなくても放射能を閉じ込めるためには膨大な作業をしなければならない。つまり、膨大な人が高濃度の被曝をしながら作業をしなければいけない。しかもそれは長期間にわたる。
2.飯田哲也氏(NPO環境エネルギー政策研究所所長)が考える最悪のシナリオもっとも起こりうる最悪のシナリオは、放射性物質が少しずつだがずっと漏れ続けることである。あらゆるところが壊れている中で、安定した冷却機能を復活させることができるのかが疑問。
具体的には
①(疑問だが)なんらかの方法で原子炉を冷却でき、一定の温度を保てるようになる。
→②しかし、原子炉や配管などが壊れているため、そうした部分から放射能を含んだ水が漏れ続ける。
→③だからずっと水を入れ続けないといけない。
→④放射能に汚染された水が漏れ続け、海や土や地下水を汚染し続ける。
だから、水を入れ続けながら壊れた個所の補修作業をしないといけないのだが、そもそもそれができる方法があるのか。できても極めて長期化するのではないか。そして、その間中、放射能がダラダラ垂れ流される。
もっとも今やっているような水を次々と流し込む冷却作業で原子炉が安定するとしても最低でも1か月はかかるだろう。
(※飯田氏は爆発的事象が起きる可能性は低いと見ている。もっとも小出氏も可能性が捨てられないという立場で高い確率で起こりうるとは言っていない)
【参考資料】
◆小出氏関係
原子力安全研究グループ:
http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/index.html◆飯田氏関係
「最悪シナリオ」はどこまで最悪か~楽観はできないがチェルノブイリ級の破滅的事象はない見込み~
PDFファイル:
http://www.isep.or.jp/images/press/script110320.pdf◆小出氏講演動画「原子力の専門家が原発に反対するわけ」(2011年3月20日)
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