このブログでもしばしば紹介している環境政策エネルギー研究所の飯田哲也さんとミュージシャンでap bankをやっている小林武志氏がエネルギーについての緊急対談をしています。
ぜひご覧ください。
緊急会議 飯田哲也×小林武史 (1) 「エネルギーの世代交代」
http://www.eco-reso.jp/feature/love_checkenergy/20110407_5007.php緊急会議 飯田哲也×小林武史 (2) 「なぜ原子力を選んだのか?」
http://www.eco-reso.jp/feature/love_checkenergy/20110408_5008.php以下、気になるニュースを転載。
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本震7時間後に燃料露出寸前の状態 福島第一原発1号機2011年4月8日13時46分
東京電力は8日、福島第一原発1~3号機について、3月11日の地震直後の炉内データを公表した。1号機の水位は地震の7時間後、燃料が露出する寸前まで下がっていたことがわかった。操作によっていったん回復したが、再び低下、12日午後に水素爆発した。
1号機の水位は11日午後9時半、燃料上端から45センチまで下がった。炉内の圧力を減らしたら上昇に転じた。下がった理由は不明だが、その後しばらく水位を制御できたことから、東電は地震での損傷による可能性は低いとみている。
水位は12日午前7時ごろから再び低下。蒸気を冷やして水を原子炉に入れる非常用復水器が機能しなくなったとみられる。午前8時36分に燃料の上端に達し、午後には燃料が1.7メートル露出した状態が続き、午後3時半ごろ爆発した。
東電はこれまで13日以降のデータ一覧のみ公表していた。「地震直後のデータは欠落が多かったので入れなかった。個別に聞かれれば答えた。国も公表していた」と説明している。
http://www.asahi.com/science/update/0408/TKY201104080238.html------------------------------
「世界中に助け求めて」福島の町村会、東電に直談判2011年4月8日19時25分
福島県の町村会と町村議会議長会の代表者ら15人が8日、東京電力や中央省庁を訪れ、「福島第一原子力発電所の事故を一刻も早く収束させること」などを求めた。東電の山崎雅男副社長は「多大なご迷惑、ご心配をかけて申し訳ありません」と陳謝をした。
県町村会は、原発の立地町を含む46町村で構成される。東電への申し入れで、同会会長の浅和定次・大玉村長が「恥も外聞もなく、世界中に助けを求めてほしい」と危機感を表明。他の出席者からも「事故で、地域の将来の見通しが立たない」「補償をいつまでするのか、示して欲しい」との声が飛んだ。東電側は「要望を真摯(しんし)に受けとめて、誠実に対応する」と繰り返したが、明確な返答はなかった。
町村会などはこれに先立ち、中央省庁なども訪れ、被害者救済のための特別措置法などを要望。総務省では、町村会側が、福島第一原発の周辺8町村が役場機能の移転を余儀なくされていることを取り上げ、「町や村が崩壊するのを止めるような対策を講じてほしい」と述べた。片山善博総務相は「避難先でのコミュニティーを確保したうえで、いずれは戻れるように対策を練りたい」と答えた。(川口敦子)
http://www.asahi.com/politics/update/0408/TKY201104080418.html------------------------------
核燃料100%損傷を想定=米国の80キロ避難勧告 【ワシントン時事】米政府が福島第1原発事故を受けて発した同原発の半径80キロ圏内に在住する米国民への避難勧告は、放射線量の実測データではなく「2号機の核燃料が100%損傷した」との想定に基づいたものだったことが8日までに分かった。ロイター通信などが報じた。
それによると、米原子力規制委員会(NRC)の幹部は7日、外部の専門家で構成される諮問委員会で、80キロという距離は「福島第1原発2号機の核燃料が100%損傷し、放射性物質が16時間放出される」と仮定し、コンピューターを使って算定したと述べた。幹部は「日本政府は実測データを保有していたかもしれないが、われわれは持っていなかった」と説明した。
避難勧告は3月16日、NRCの指針に基づきルース駐日米大使が出した。日本政府は当時、半径20キロ圏内の住民に避難、20~30キロ圏内の住民に屋内退避を指示していたため、日米両政府の対応の違いが論議の的になっていた。(2011/04/09-05:58)
http://www.jiji.com/jc/eqa?g=eqa&k=2011040900064------------------------------
【インタビュー】東電は甘くはなかった=経団連の米倉会長 * 2011年 4月 6日 21:27 JST
日本経団連の米倉弘昌会長に、東日本大震災が経済に与える影響、今後のエネルギー政策、福島第1原子力発電所の事業会社である東京電力に対する思いなどを聞いた。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の単独インタビューに応じた。
米倉会長 Bloomberg
経団連の米倉会長(今年1月の日本外国特派員協会での講演で)
WSJ:東日本大震災は、経済にどのような影響を与えるか?
米倉氏:宮城、福島、岩手3県の域内総生産(GDP)は全体の約4.1%だ。北海道と東北6県、新潟県の合計は約11%になる。東北地方は漁業やコメなど農業が盛んだ。(経済全体に占める)比重はそれほど大きくないが、モノによっては大きな割合になる。
今回の地震は、政府の試算では16兆~25兆円の被害だ。これは過大に見積もったとの見方もある。14兆、15兆円ではないかとの見方が強い。今回の地震により日本のGDPは、約1%押し下げられるとみられる。
自動車やエレクトロニクスの部品メーカーは、東北地方がそうした部品や自動車全体の組み立て等々で日本の中で競争力があるとみなし、生産拠点をシフトさせていたのでダメージが非常に大きい。中には世界的なマーケット・シェアを持つメーカーがある。こうしたところが被害を受けているために、世界の自動車、あるいはエレクトロニクスの製造に影響を与える可能性がある。
生産設備の復旧工事が急がれる。すくなくとも2カ月間はかかるとわれわれはみている。
WSJ:原発が農産物に与える影響は?
米倉氏:福島のホウレンソウを継続的に食べても大丈夫、健康に影響はないとは言いながらも、基準としてはかなり高目になるので出荷を抑制する、というようなことを放送するものだから、そういった意味では、農業従事者には打撃は大きい。
原発は収束に向けて東京電力が一生懸命に努力している。一進一退だが、かなりコントロール下に置けるようになってきているのではないか、とわれわれはみている。
WSJ: 今後、農産品の輸入を増やす必要は?
米倉氏:そもそも、われわれは農産品については自給率が40%だった。カロリー・ベースで60%の食肉等を含む農産品を輸入している。そういう意味では、その(震災の)ために輸入しなければいけないということではない。むしろほかの地域、例えば北海道とか、東北でも福島以外の場所は大丈夫だと私は思っている。
風評でこれは大変だと言って野菜を食べなくなったりしているし、私自身、おかしいと思うのは、どういう状態で測られているのか、それが分からない。水で洗って出荷するのだが、その出荷時点で測っているのか、それとも畑でそのまま測っているのか、その辺で随分違うはずだ。そういうことも、はっきりすべきだろうと思う。
今回の場合、風評で右往左往している。海外でそういうことが非常に多いので、われわれは政府に対してもしっかり対応するように要求している。われわれ自身も沈静化に努めている。
WSJ:経団連の停電への対応は?
米倉氏:先日の東電の勝俣会長の記者会見によると、夏の電力需要は6000万キロワットで、供給は4650万キロワットになる。今も、それよりも供給を増やそうと努力していると話していた。2週間前の情報では4200万キロワットというように聞いていた。2週間で4650万(キロワット)まで電力の供給をアップするめどが付いたということだろうと思う。
供給が足りない夏場については、いろいろと節電するような努力をしていくべきだと考えている。経団連ではあらゆる企業、業界に自主的な節電行動計画を出すよう協力を求めている。これを早急にまとめ上げてやっていくというような形にしていきたい。
今の政府はピーク時の電力量を25%カットしようということで案をまとめようとしているが、そんなに大きな数字は必要ではないとみている。25%カットということになれば、産業に対してしわ寄せが大きい。そういうことではなく、今こそこういった地震・津波の影響を最小限に抑え込んで、経済活動をもっと活性化していく努力がわれわれにとって必要だろう。
WSJ:節電は産業界だけではなく、普通の一般家庭も行うのか?
米倉氏:今のところ、うわさで聞いているのは、たとえば家庭はピーク時の15%、中小企業は20%、そのほかの産業界は25%というように言っていたが、いったん出たところで、これはおかしい、ということで政府の内部でこの案は潰れ、(その後は)まだ出ていない。
それよりも、産業界としてどういうことができるのか。現に、私の会社は千葉に工場があるが、自家発電で全部やっている。非常に高いコストになるが、そういう形でサポートしていくことが必要だ。
WSJ:産業界としては自主的な動きの方がいいのか?
米倉氏:そうだ。その方がわれわれにとって影響が少なく、ちゃんとした経済活動ができると思う。
WSJ:中長期的な日本のエネルギー政策は見直しが必要か?
米倉氏:見直すことになるのだろう。原発の今の問題がどういうことで生じたのか、徹底的に解明して、再発防止の手を打っていくべきだろう。
日本は化石燃料のエネルギー源がもはや国内にない。このため、原油を輸入し、LNG(液化天然ガス)を輸入して発電をする。それよりもCO2を考えると、原子力が一番いいのではないかというように考えていた。
やはり、国民の信頼を回復するにはかなり時間が必要だ。むしろ、原因を徹底的に解明して、安全性を確保して、原子力というものが必要だということを国民に訴え、経済性とCO2、あるいは安全ということをバランスのとれた形でやっていくべきだと思う。
WSJ:必ずしも今までの計画を全体的に見直すということではないのか?
米倉氏:現在、9つほどの原発計画があると思うが、これについても(今の問題の)原因を解明し、安全性を計画に反映すれば、もっと安全な原発になるのではないか。
WSJ:延期か廃止ということではないのか?
米倉氏:廃止するという必要はないと思う。
WSJ:タイミング的には少し伸ばす必要があるか?
米倉氏:Intentional(故意による)に伸ばすということではない。結果的に国民の信頼を回復するには時間がかかるということだろう。
WSJ:環境対策はどうなるのか?京都議定書については?
米倉氏:やっていかなければならない。京都議定書は予定どおりに。経済活動が東北地方でダウンしているから、その間はCO2の発生も恐らく減少すると思う。
WSJ: 国のクライシス・コントロール(危機管理)はうまくできているのか?菅政権への評価は?
米倉氏:原発の問題で、菅総理、それから枝野官房長官は、これだけに時間を取られているというようなことで、そのほかの救援物資の輸送やガソリンの輸送についてはちょっと手を打つのが遅れたと思う。
これは経団連が政府に代わって解決した。最初の1週間は大変だったがそこからはガソリンも全部うまく運べるようになった。リファイナリー(製油所)も稼働を上げて、ガソリン等々の増産に努めている。
一番怖いのは風評だ。東北地方は美味しいコメの生産地だが、ここがやられたとして、コメが買い占められている。ちょうど秋に収穫され新米がようやく出てきている段階であり、まだまだコメはたくさん残っている。古米も政府の倉庫に眠っており、心配の必要はない。
そういったところまで国民は心配している。インターネットでいろいろな情報を流すものだから、余計そういったことが広まるわけだ。対策としては、政府がきめ細かく放送するとか、あるいはネットで発信するとか、いろいろなことがある。フルに広報活動をしていく必要がある。
WSJ:当局への不信が国民にみられる。東電の責任問題、情報公開問題はどうか?
米倉氏:一生懸命やっている。考えられていないが、東電自体が被災者だ。従業員が津波に流され、機器も津波に流されているところがある。そういったなかで一生懸命努力をしている。政府としては、東電が最大限努力しやすいような環境を作るべきだと思っている。いろいろ見ていると、政府の内部で考え方が食い違ったりしており、非常に憂慮している。
WSJ:東電は甘かった?
米倉氏:甘かったということは絶対にない。要するにあれは国の安全基準というのがあって、それに基づき設計されているはずだ。恐らく、それよりも何十倍の安全ファクターを入れてやっている。東電は全然、甘くはない。WSJ:円安傾向にある。為替をどうみている?
米倉氏:震災が起こった後、急激な円高になった。これは聞くところ、われわれには理解できないのだが、要するに日本の保険会社、あるは被災した企業が、資金が必要なために海外資産を売却するだろうと。だから円高、円を買っておけ、というようなことで。非常に不謹慎極まるインベスター、ファンドがいる。
資本主義の発展は、高い倫理観がベースにある。これがなければ資本主義はうまく回転しない。これにもかかわらず、金儲けのためだけにこういった為替のディールをやるということは、私は経済人として許しがたい。こういったことだから、協調介入が合意されたのだろうと思う。
今、ようやくにして元に戻ってきたように思う。リーマンショックの前は(対ドルで)90円とか100円近くにあったのがどんどん上がってきて、それで 82~83円でずっと定着していた。これはその当時でさえ、日本企業にとっては非常に大きな打撃だった。85円は歓迎すべき動きだろうと思う。
WSJ:復興に向けた日本企業の海外資産の売却はあったのか?
米倉氏:そういう動きはない。日銀は震災の以前から、かなりの金融緩和を実施していた。円高のために倒産する中小企業があってはいけないということで、ゼロ金利のような運用をしていた。そういう意味では、金づまりということはまったくない。
(聞き手はチェスター・ドーソン記者)
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