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たびたびご登場いただいている京都大学原子炉実験研究所の小出氏の講演動画です。

原発なしでも十分電力はまかなえるようです。

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参考になる情報源

現在進行中の原発事故をみていく中で参考になる情報源を以下に紹介します。


【NPO原子力資料情報室の福島原発に関するサイト】

http://www.cnic.jp/modules/fukushimaNPP/


1975年以来、脱原発のための研究・政策提言・各種運動を展開してきたNPO。前代表の高木仁三郎さんは元原子力関係の研究者だった。高木さんの『市民科学者として生きる』(岩波新書)、『原発事故はなぜくりかえすのか』(岩波新書)は、今こそ読むべき本ですね。

【NPO環境エネルギー政策研究所】

http://www.isep.or.jp/


環境政策やエネルギー政策に詳しい専門性の高いNPOのHP。トップページの飯田哲也氏のツイッターは重要な情報源になります。

【後藤政志氏(元東芝原子炉格納容器設計者)のブログ】
http://gotomasashi.blogspot.com/

立ち上がったばかりですが、これから要チェックですね。

【岩上安身オフィシャルサイト】

フリージャーナリストのHP.原発関連記者会見要旨(http://iwakamiyasumi.com/archives/category/webjournal)や東電・保安院の記者会見をここで見ることができます。活動資金が底をついてきたそうなのでぜひここにもサポート金が必要ですね。

【独立メディアOur Planet TV】
http://www.ourplanet-tv.org/

原発に入る作業員の生の声などを取材しています。リンクも充実。

【ウォールストリートジャーナル:東日本大震災】
http://jp.wsj.com/Japan/node_196370

国内の大手マスメディアが書かないこともここでは書かれています。

【全国の地方紙のポータルニュースサイト:原発関連】
http://www.47news.jp/47topics/e/200026.php

福島や宮城などの地元メディアが、大手マスコミではなかなか書けない記事を書いています。地域の情報を知るには有益。

【気象庁風向風速予報】
http://www.jma.go.jp/jp/windpro/

放射能汚染は風向きや雨でまったく変わります。
毎朝要チェックですね。

【石橋克彦氏のHP】

http://historical.seismology.jp/ishibashi/opinion/2011touhoku.html


原発震災を以前から指摘していた地震学者。
1997年に書かれた「原発震災-破滅を避けるために」や
2008年に書かれた「原発に頼れない地震列島」、
2005年に書かれた「迫り来る大地震活動期は未曾有の国難-技術的防災から国土政策・社会経済システムの根本的変革へ-」
が読めます。

「原発震災-破滅を避けるために」では、今回起こったような現象まで具体的に指摘しています。

以下は毎日記事から
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発信箱:すべて想定されていた=福岡賢正(西部報道部)

 原発事故の報道に強烈な居心地の悪さを感じている。その理由を突き詰めていくと、メディアが安易に使う「想定を超えた」という言葉のせいだと思い至る。眼前で今起きている事態は本当に想定外だったのか。

 《最大の水位上昇がおこっても敷地の地盤高(海抜6m以上)を越えることはないというが、1605年東海・南海巨大津波地震のような断層運動が併発すれば、それを越える大津波もありうる》

 《外部電源が止まり、ディーゼル発電機が動かず、バッテリーも機能しないというような事態がおこりかねない》

 《炉心溶融が生ずる恐れは強い。そうなると、さらに水蒸気爆発や水素爆発がおこって格納容器や原子炉建屋が破壊される》

 《4基すべてが同時に事故をおこすこともありうるし(中略)、爆発事故が使用済み燃料貯蔵プールに波及すれば、ジルコニウム火災などを通じて放出放射能がいっそう莫大(ばくだい)になるという推測もある》

 すべて岩波書店の雑誌「科学」の97年10月号に載った論文「原発震災~破滅を避けるために」から引いた。筆者は地震学の権威、神戸大の石橋克彦氏。つまり今回起きたことは、碩学(せきがく)によって14年も前に恐ろしいほどの正確さで想定されていたのだ。

 石橋氏はその後も警鐘を鳴らし続け、05年には衆院の公聴会でも同様の警告を発している。電力会社や原子力の専門家たちの「ありえない」という言葉を疑いもせず、「地震大国日本は原子力からの脱却に向けて努力を」との彼の訴えに、私たちメディアや政治家がくみしなかっただけなのだ。

 05年の公聴会で石橋氏はこうも警告している。日本列島のほぼ全域が大地震の静穏期を終えて活動期に入りつつあり、西日本でも今世紀半ばまでに大津波を伴う巨大地震がほぼ確実に起こる、と。

毎日新聞 2011年3月29日 0時01分
http://mainichi.jp/select/opinion/hasshinbako/news/20110329k0000m070181000c.html
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【元GE技術者・菊地洋一さん講演録(2003年)】

http://www.stop-hamaoka.com/kikuchi/kikuchi2.html


以下、一部を抜粋
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僕が何で原発が嫌になったかというと、最初は原発こそ自分がぶつかっていくべき対象だと思って、情熱のすべてを傾けてやってきたのですけれども、原発を離れましてですね。だんだん、だんだん、原発が嫌になって、それで最後には原子力発電所を目の敵にするくらい嫌になってしまったのです。
  その大きな理由の一つはですね、原子力発電所が動いている限りは、被曝労働者を必要とするのです。必ず自動車でも車検がくると、高いお金かけて車を整備してもらいますけど、原発も毎年止めて、炉を点検して修理したりしなければいけないのですけれど、これが大体が被曝作業なんですね。

 ―略―

それとですね、同じくらいのウエイトで嫌なのは、原発の建ったところの地方自治体の行政が腐りきってしまうことです。

みんなが苦労して、汗水たらして働いて払った税金が軽くみられるようになります。原発の交付金というのは、それだけ一時的には大きいのです。でも、それによってみんなにお金が等しくまわって豊かになるかというと、そんなことは全然ないんですね。まず県に入ります、金は。そこの町や市にも入りますけれども、それが今までの地方財源に比べれば非常に大きい額ですから、もうそれも紐付きで、開発だとかいろんなもの使わなければいかんという項目が決められていて、道路とか例えば箱物といって建物を作るとか、そんな事にばっかり使っている訳です。だから土建屋さんは儲かるかもしれない。でも一般の人たちに等しくお金が渡る訳ではないですね。全然入らないという感じの人がほとんどな訳です。その町からちょっとはずれると、その辺は被害があった時は、同じような惨めな目に遭わなければならないのだけれど、 補償は一切入らないということになりますし、何よりも行政が腐ってしまいます。


【原発技能士 平井憲夫氏(故人)のサイト】
http://www.iam-t.jp/HIRAI/pageall.html#about

以下、一部抜粋。

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私は原発反対運動家ではありません。二十年間、原子力発電所の現場で働いていた者です。原発については賛成だとか、危険だとか、安全だとかいろんな論争がありますが、私は「原発とはこういうものですよ」と、ほとんどの人が知らない原発の中のお話をします。そして、最後まで読んでいただくと、原発がみなさんが思っていらっしゃるようなものではなく、毎日、被曝者を生み、大変な差別をつくっているものでもあることがよく分かると思います。

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深刻なニュースが次々と・・・

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「憂える事態」と保安院 プルトニウム検出で

 経済産業省原子力安全・保安院は29日、福島第1原発の敷地内からプルトニウムが検出されたことについて「燃料に一定の損傷があって本来の閉じ込め機能が壊れていることを示しており、非常に憂える事態だ」との見解を示した。

 保安院は、東電が土壌を採取した21~22日の段階で、既に燃料が損傷していた可能性があると指摘。一方、今回検出された濃度は、過去の核実験に伴い国内で観測されたレベルと同程度で、健康に影響を与えるものではないとしている。
2011/03/29 01:43 【共同通信】

http://www.47news.jp/CN/201103/CN2011032801001138.html

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「日当40万円出すから」 原発作業員 確保に躍起

2011年3月29日 06時58分

 危機的な状況が続く福島第一原発。その復旧作業は放射能、時間との闘いで、作業員の確保が急務となっている。東京電力の要請を受けた協力会社は、各地にいる作業員たちを呼び寄せようと躍起になっている。中には法外な高給を提示された作業員もいる。

 「日当四十万円出すから来ないか」。福島県いわき市からさいたまスーパーアリーナ(さいたま市中央区)に避難している作業員藤田竜太さん(27)の携帯電話に、旧知の原発のメンテナンス業者から誘いが入った。

 現場は福島第一原発。高給である以上、それだけ高い危険が待ち構えていることはすぐに分かった。電線の敷設作業をしている友人からは「おれ、もう被ばくしているかも」と聞かされた。

 長男はまだ三つと幼く、妻(26)には新しい命が宿った。ためらいなく断った。藤田さんは、「五十代以上の人は高給につられて原発に戻っているらしい。でも、おれはまだ若いし、放射能は怖い。もう原発の仕事はしたくない」と語った。

 一方、協力会社の男性社員(41)は、勤務先から「人が足りないから戻ってくれないか」と第一原発での作業を要請され、四月以降に福島に戻る。

 男性は計測器を使ってそこが作業できる場所かどうかを調べるのが主な仕事。原発の現状からすると、まさにそこが最前線ともいえる。「特別な報酬があるわけではないが、危険な作業が待っているだろう。断ったら、恐らく会社にはいられない」と半ば強制だと受け止めている。

 同県田村市の男性(58)によると、第一原発で働く知人の父に、「五十歳以上の人で原子炉近くに入ってもらえる人を探している。手当は普通より多く払うからお願いできないか」という電話がかかってきたという。

 東京電力は現場の労務環境について、「放射線量が高いので、一人当たりの作業時間に限りがあるため、人員の交代が頻繁に行われている」と説明。また、「協力会社にお願いしながら人員を確保している。作業費は協定に基づいて協力会社に支給しているが、個々の金額についてはコメントできない」としている。 (社会部・堀祐太郎)

(東京新聞)

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2011032990065850.html

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福島の野菜農家が自殺 摂取制限指示に「もうだめだ」

2011年3月29日5時30分

 福島県須賀川市で24日朝、野菜農家の男性(64)が自宅の敷地内で首をつり、自ら命を絶った。福島第一原発の事故の影響で、政府が一部の福島県産野菜について「摂取制限」の指示を出した翌日だった。震災の被害に落胆しながらも、育てたキャベツの出荷に意欲をみせていたという男性。遺族は「原発に殺された」と悔しさを募らせる。

 自宅は地震で母屋や納屋が壊れた。ただ、畑の約7500株のキャベツは無事で、試食も済ませ、収穫直前だった。遺族によると、男性は21日にホウレンソウなどの出荷停止措置がとられた後も「様子をみてキャベツは少しずつでも出荷しないと」と話し、納屋の修理などに取り組んでいた。

 23日にキャベツの摂取制限指示が出ると、男性はむせるようなしぐさを繰り返した。「福島の野菜はもうだめだ」。男性の次男(35)は、男性のそんなつぶやきを覚えている。「今まで精魂込めて積み上げてきたものを失ったような気持ちになったのだろう」

 男性は30年以上前から有機栽培にこだわり、自作の腐葉土などで土壌改良を重ねてきた。キャベツは10年近くかけて種のまき方などを工夫し、この地域では育てられなかった高品質の種類の生産にも成功。農協でも人気が高く、地元の小学校の給食に使うキャベツも一手に引き受けていた。「子どもたちが食べるものなのだから、気をつけて作らないと」。そう言って、安全な野菜づくりを誇りにしていたという。

 遺書はなかったが、作業日誌は23日までつけてあった。長女(41)は「こんな状態がいつまで続くのか。これからどうなるのか。農家はみんな不安に思っている。もう父のような犠牲者を出さないでほしい」と訴える。(西堀岳路)



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スリーマイル事故の14万倍 福島事故の放射性物質

2011年3月29日 11時46分

 1979年に炉心溶融事故を起こした米ペンシルベニア州のスリーマイルアイランド原発=1999年3月(ロイター=共同)
写真

 東京電力福島第1原発の事故で放出された放射性物質の量は、1979年に発生した米国のスリーマイルアイランド(TMI)原発事故で放出された量の14万~19万倍に上るとの試算を米国の市民団体、エネルギー環境調査研究所(IEER)のグループが29日までにまとめた。

 IEERのアージャン・マキジャニ所長は「事故の深刻度の国際評価尺度で、TMI事故と同じレベル5だとする日本の公式見解は、幻想としか思えず、多くの誤解を招くものだ」と批判。評価尺度はより深刻なレベル6に当たると指摘した。

 IEERによると、事故でこれまでに環境中に放出されたヨウ素131の量は240万キユリー(1キユリーは370億ベクレル)と推定され、これだけでTMI事故の放出量の14万倍。これに加えて、放射性のセシウム134とセシウム137が計50万キユリー程度放出されたとみられ、合わせると放出量は19万倍に達する。

 IEERによると、放射性のヨウ素もセシウムの量も旧ソ連のチェルノブイリ原発事故で放出された量の10%程度。だが、チェルノブイリ事故の放出源は原子炉1基だけだったのに対し、福島の事故の場合、三つの原子炉と四つの使用済み燃料プールが放出源になったとみられ、半減期が約30年と長く、体内に取り込まれやすいセシウム137の量も多いため、環境への影響が長く続くことが懸念される。

 マキジャニ所長は「日本政府は、事故の実態を市民によりよく理解させるため評価をレベル6に引き上げ、これまで放出された放射性物質の量や、今後予想される放出量などを詳細に公表すべきだ」としている。
(共同)

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2011032901000138.html


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土壌汚染「チェルノブイリ強制移住」以上 京大助教試算

印刷用画面を開く

 東京電力福島第1原発の事故で、高濃度の放射性物質が土壌などから確認された福島県飯館村の汚染レベルが、チェルノブイリ原発事故による強制移住レベルを超えているとの試算を、京都大原子炉実験所の今中哲二助教(原子炉工学)がまとめた。

 飯館村は原発から北西約40キロ。今中助教は、原発の状況が分からず被災地各自の事情もあるとした上で「避難を考えた方がいいレベルの汚染。ヨウ素やセシウム以外の放射性物質も調べる必要がある」として、飯館村で土壌汚染を調査する方針だ。

 文部科学省の調査で20日に採取した土壌から放射性のヨウ素1キログラム当たり117万ベクレル、セシウム16万3千ベクレル、雑草からヨウ素254万ベクレル、セシウム265万ベクレルが確認された。土壌中のセシウムは通常の1600倍以上だった。

 今中助教は、土壌のセシウムで汚染の程度を評価した。汚染土を表面2センチの土と仮定すると1平方メートル当たり326万ベクレルで、1986年の旧ソ連チェルノブイリ原発事故で強制移住対象とした148万ベクレルの2倍超、90年にベラルーシが決めた移住対象レベルの55万5千ベクレルの約6倍だった。

 今中助教は「国は原発周辺の放射性物質を詳細に調べて分析し、ただちにデータを公開すべきだ」と話している。セシウムは半減期がヨウ素(8日)と比べ30年と長く、汚染の長期化が懸念されている。

【 2011年03月28日 15時52分 】

http://www.kyoto-np.co.jp/top/article/20110328000068


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東京電力、フランスに支援要請 福島原発事故で自力解決断念か

(03/28 19:15、03/28 22:23 更新)

 【パリ共同】東京電力が福島第1原発の事故で、フランス電力(EDF)や核燃料会社アレバ、原子力庁などフランスの原子力関連企業・機関に支援を要請したことが分かった。ベッソン産業・エネルギー・デジタル経済担当相が28日、ラジオ番組で明らかにした。

 29日付フランス紙ルモンドによると、アレバは事故発生直後から東電側と連絡を取り合っていたが、事態が急展開したのは「この36時間」としており、26日ごろに緊急要請があったことを明らかにした。

 同紙は「東電が原発事故の統御不能に陥った可能性」との見出しを掲げ、事態を深刻視している。

 ベッソン担当相は「東電からの(フランス各機関に対する)支援要請は(事故発生後)初めて」と述べた。EDFは18日、専門家の派遣や原発事故に対応するロボットを含む資材130トンの搬送など独自の救援計画を発表。だが、ルモンド紙によると日本側はこれを拒否したという。

 フランスは日本の原子力業界と関係が深く、アレバは日本の電力会社の委託でプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料の加工を請け負っている。福島第1原発3号機で現在使われているMOX燃料は、1999年にフランスから運ばれた。

http://www.hokkaido-np.co.jp/news/international/281766.html

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ジャーナリズムと原子力産業

これまで原発の危険性が十分に知らされてこなかった背景にはこんな↓ことがあったからのようです。



その他ジャーナリズムと原子力産業に関する記事を以下に紹介。

上杉隆 緊急インタビュー
根拠なき安全神話にすがるのは「砂の中に頭を入れるダチョウ」と同じ

http://www.timeout.jp/ja/tokyo/feature/2754

一部抜粋↓
「…事故発生当初から「東電は事故に関して隠している、嘘を言っている」、「政府は騙されている。メディア、記者クラブは、東電が最大の広告主、クライアントだから遠慮して言えないのではないか」と、自分の出演しているメディアやラジオ番組で言い続けていました。すると、番組終了後にプロデューサーが来て「今月末で番組を降りてくれ」と言われて番組を降ろされました。別の番組でも東電を批判したら、そちらでも「降ろせ」となって。…」



東電のカネに汚染した東大に騙されるな!
大阪芸術大学 芸術学部哲学教授純丘曜彰 教授博士
2011年3月27日 03:54

http://www.insightnow.jp/article/6430



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今こそ読みたい伊丹万作の文章

原発事故を巡っての安全論争(?)が湧き上がっている中で、思い浮かぶのが伊丹万作(伊丹十三の父親)の「戦争責任者の問題」という文章です。

「騙されることの責任」という言葉でよく紹介される以下の文章は、今こそ読み返す必要があるでしょう。

一部抜粋

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―略―

だまされたということは、不正者による被害を意味するが、しかしだまされたものは正しいとは、古来いかなる辞書にも決して書いてはないのである。だまされたとさえいえば、一切の責任から解放され、無条件で正義派になれるように勘ちがいしている人は、もう一度よく顔を洗い直さなければならぬ。

 しかも、だまされたもの必ずしも正しくないことを指摘するだけにとどまらず、私はさらに進んで、「だまされるということ自体がすでに一つの悪である」ことを主張したいのである。

 だまされるということはもちろん知識の不足からもくるが、半分は信念すなわち意志の薄弱からくるのである。我々は昔から「不明を謝す」という一つの表現を持つている。これは明らかに知能の不足を罪と認める思想にほかならぬ。つまり、だまされるということもまた一つの罪であり、昔から決していばつていいこととは、されていないのである。

 もちろん、純理念としては知の問題は知の問題として終始すべきであつて、そこに善悪の観念の交叉する余地はないはずである。しかし、有機的生活体としての人間の行動を純理的に分析することはまず不可能といつてよい。すなわち知の問題も人間の行動と結びついた瞬間に意志や感情をコンプレックスした複雑なものと変化する。これが「不明」という知的現象に善悪の批判が介在し得るゆえんである。

 また、もう一つ別の見方から考えると、いくらだますものがいてもだれ一人だまされるものがなかつたとしたら今度のような戦争は成り立たなかつたにちがいないのである。

 つまりだますものだけでは戦争は起らない。だますものとだまされるものとがそろわなければ戦争は起らないということになると、戦争の責任もまた(たとえ軽重の差はあるにしても)当然両方にあるものと考えるほかはないのである。

 そしてだまされたものの罪は、ただ単にだまされたという事実そのものの中にあるのではなく、あんなにも造作なくだまされるほど批判力を失い、思考力を失い、信念を失い、家畜的な盲従に自己の一切をゆだねるようになつてしまつていた国民全体の文化的無気力、無自覚、無反省、無責任などが悪の本体なのである。

―略―

「だまされていた」といつて平気でいられる国民なら、おそらく今後も何度でもだまされるだろう。いや、現在でもすでに別のうそによつてだまされ始めているにちがいないのである。

 一度だまされたら、二度とだまされまいとする真剣な自己反省と努力がなければ人間が進歩するわけはない。この意味から戦犯者の追求ということもむろん重要ではあるが、それ以上に現在の日本に必要なことは、まず国民全体がだまされたということの意味を本当に理解し、だまされるような脆弱(せいじやく)な自分というものを解剖し、分析し、徹底的に自己を改造する努力を始めることである。

―以下、略

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全文はこちらで読めます。
伊丹万作「戦争責任者の問題」
http://www.aozora.gr.jp/cards/000231/files/43873_23111.html

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この間のネット番組で紹介されていた東京新聞の緊急世論調査の結果です。

ちょっと信じがたいですが、こうした意識が今回の事故を作り出したのではと思わざるをえません。


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「原発に不安」88% 都民に本紙緊急調査
2011年3月19日 朝刊


 東日本大震災を受けて、東京新聞は東京都内の有権者を対象に緊急世論調査を実施した。福島第一原発の事故について「非常に不安」55・3%、「ある程度は不安」32・8%と答え、「不安」が88・1%にのぼった。 

 「国内にある原発は今後、どうすべきだと思うか」と聞いたところ「運転しながら安全対策を強化していく」が56・2%と半数を超えた。「いったん止め、対応を検討する」は25・2%、「やめて、別の発電方法をとる」は14・1%だった。
 「非常に不安」と答えた人でみると「運転しながら安全対策」46・5%、「いったん止め」29・9%、「やめて、別の発電方法」19・9%だった。

 「ある程度は不安」という人では「運転しながら安全対策」65・3%、「いったん止め」22・3%、「やめて、別の発電方法」8・3%という割合。事故に不安を抱きながらも、原発に依存している現状を認識していることがうかがえた。

◆計画停電 8割が賛成
 都民は計画停電に理解示す-東京都内の有権者を対象にした東京新聞の世論調査では、計画停電について「賛成」「どちらかといえば賛成」が八割以上を占め、多くの人が理解を示していることが分かった。

 「今回実施されている東京電力の計画停電についてどう思うか」と聞いたところ、「どちらかといえば賛成」42・5%、「賛成」41・2%、「どちらかといえば反対」9・8%、「反対」4・1%の順だった。

 「計画停電で最も困ること」は「医療」が最多の31・3%で、「通勤・通学」24・8%、「介護・育児」9・3%、「通信・通話」8・8%。

 調査では今回の震災への政府の対応も聞いた。「適切」「どちらかというと適切」と答えた人が53・2%に上り、「不適切」「どちらかというと不適切」は42・6%で、10ポイント以上も開きがあった。

 政府の対応には一定の理解が示されたようだが、東京電力の対応についてはどうだったか。「どちらかというと適切だった」23・9%、「適切だった」5・6%と、合わせても三割に届かず、都民の評価は厳しい。

 首都圏の地震対策で強化すべき点は「情報発信」「原発などの安全対策」「食料などの備蓄」「家屋や建物の耐震化」の順に多かった。

 都の地震対策については「十分」「どちらかというと十分」と答えた人は三割にとどまり、六割が「不十分」「どちらかというと不十分」だった。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2011031902000093.html

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イギリスのチャンネル4が1995年に放送した番組に“Nuclear Ginza"(邦題「隠された被曝労働~日本の原発労働者」)というのがあったそうです。

先日も福島原発で作業員の方が大変な被曝をされましたが、
日常的にも原発は多くの被曝労働者を生み出してきました。

この大惨事を機会に、数ある発電方法の中で、
そうした被曝者を生み出さずには回らない発電方法を
今後も支持するのかということを考え、選択する必要があるでしょう。

ちなみに福島原発での作業員の求人がネット上にあります。
日給9000~11000円だそうです。
http://job.j-sen.jp/hellowork/job_3373229/





関連書籍






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たびたびこのブログでも引用している京大原子炉実験所の研究者たちのドキュメンタリーです。

「科学」がどんなものかわかりますね。


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以下、西日本新聞のサイトから転載

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「放射能被害を過小評価」 ロシアの科学者 福島原発を懸念
2011年3月27日 00:10 カテゴリー:アジア・世界

 旧ソ連で1986年に起きたチェルノブイリ原発事故について、人や環境に及ぼす影響を調べているロシアの科学者アレクセイ・ヤブロコフ博士が25日、ワシントンで記者会見し、福島第1原発事故の状況に強い懸念を示した。博士の発言要旨は次の通り。

 チェルノブイリ事故の放射性降下物は計約5千万キュリーだが、福島第1原発は今のところ私の知る限り約200万キュリーで格段に少ない。チェルノブイリは爆発とともに何日も核燃料が燃え続けたが、福島ではそういう事態はなく状況は明らかに違う。

 だが、福島第1はチェルノブイリより人口密集地に位置し、200キロの距離に人口3千万人の巨大首都圏がある。さらに、福島第1の3号機はプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料を使ったプルサーマル発電だ。もしここからプルトニウムが大量に放出される事態となれば、極めて甚大な被害が生じる。除去は不可能で、人が住めない土地が生まれる。それを大変懸念している。

 チェルノブイリ事故の最終的な死者の推定について、国際原子力機関(IAEA)は「最大9千人」としているが、ばかげている。私の調査では100万人近くになり、放射能の影響は7世代に及ぶ。

 セシウムやプルトニウムなどは年に1-3センチずつ土壌に入り込み、食物の根がそれを吸い上げ、大気に再び放出する。例えば、チェルノブイリの影響を受けたスウェーデンのヘラジカから昨年、検出された放射性物質の量は20年前と同じレベルだった。そういう事実を知るべきだ。

 日本政府は、国民に対し放射能被害を過小評価している。「健康に直ちに影響はない」という言い方はおかしい。直ちにではないが、影響はあるということだからだ。

=2011/03/27付 西日本新聞朝刊=

http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/233873

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我々は放射能の前に平等ではない

フランスのニュースを翻訳しているサイトから転載です。

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Mercredi 23 mars 2011 3 23 /03 /Mars /2011 21:18
我々は放射能の前に平等ではない

*ヌーヴェル・オプセルヴァトゥール誌 ネットニュース 

3月23日13時28分(日本時間21時28分)


仏国立衛生医学研究所(INSERM) の放射線生物学者ニコラ・フォレが放射能についての疑問に答える。

* 仏放射線防護原子力安全研究所(IRSN)と放射能独立情報研究委員会(CRIIRAD)は、福島原発の原子炉から放出してフランスに今日か明日(木曜日)到達すると見られている放射能拡散は全く危険でないと考えていますが、あなたも同じご意見ですか?

はい、全面的に。それらの粒子は私たちよりも10から100万倍も放射能が少ないのです。つまり、私たちは自然に放射能を出しているのです。80キロの体重の人は毎秒8000の放射能粒子、つまり8000ベクレルを出しているわけで、今回到達すると考えられているのは1000分の1ベクレルだからです。

* では危険はゼロということですか?

危険がゼロということは絶対言えません。粒子がそこに存在する以上、それは私たちに到達することができるのです。これらの粒子の危険性、それはDNAや細胞を破壊し、癌を誘発することです。しかし、この危険は非常に相対的であり、したがって僅かにしかそうなりません。例えば、放射能を出す人に接触するより、ひとりの人が地下鉄に乗って癌に罹るチャンスの方が大きいということです。それから忘れてならないのは、福島の原子炉からの放射能放出量はチェルノブイリからの量より1000倍も少ないことです。

* 科学者は危険のない許容量を推算しています。この測定の信用度は確かなものですか?

たしかに。この値は議論の余地があります。性質とこれらの危険の割合を特定しなければなりません。この疑問は真の議論ですね。何故なら、量が少ない程、分析が難しくなるわけですから。非常に少ない量の問題、それは動物実験とかヒロシマのような出来事のデータに依るしかないことです。しかし、ヒロシマは一般化する手だてにはなりませんし、動物実験での結論では人間に適用できないわけです。

わかっているのは、自然の放射能はフランスでは1年に約2,4ミリシーベルトで、イランあるいはブラジルでは年20ミリシーベルトだということです。そしてイラン人とブラジル人がフランス人より癌が多いということはありません。つまり、0から20ミリシーベルトでは危険がないということです。

福島の事故は、この下限について疑問を投げかけ、放射能に関する新しいデータをもたらすことになるでしょう。原発の近くにいる日本の方々は決して無視できない量の放射線に曝されており、将来、許容量を決めるのを可能にするかもしれません。
フランス人は無視できる量に曝されているわけです。

* 私たちは放射能に対して皆同じでしょうか?

放射線治療において、ある人々は他の人々よりも放射能に敏感だということを観察できました。放射能への感応性は遺伝的要因によります。大いなる疑問は、どのように敏感な人々を見分けるか。敏感さによって人を判別しても良いのか。これらの疑問は、哲学者たちと公権者たち得意の倫理的で実際的な議論を呼ぶものです。いずれにしても、この観察は心配させるべきものではありません。

http://www.francemedianews.com/article-zqrezqrehq-70064748.html

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