【震災遺児・孤児広がる支援 東北3県に寄付62億円】
「東京新聞」2012年1月4日 朝刊
東日本大震災で親を亡くした子どもたちのため、官民による支援の輪が整い始めた。岩手、宮城、福島の三県がつくった震災遺児・孤児の支援基金には計約六十二億円の寄付が集まった。岩手はすでに子どもたちへの資金援助をしているが、宮城、福島も一月以降に支給を始める。民間の「あしなが育英会」の募金には約三十八億八千万円が集まった。
厚生労働省によると、震災で親を亡くした十八歳未満の子どもは千五百六十七人。岩手五百六十九人、宮城八百三十八人、福島百六十人だった。このうち、両親ともいない震災孤児は二百四十人。岩手九十三人、宮城百二十六人、福島二十一人で、ほとんどが親族に引き取られている。
孤児を引き取った場合、里親の認定を受けると、子ども一人当たり月四万七千六百八十~五万四千九百八十円の生活費や、教育費などが支給される。
厚労省によると、孤児二百四十人の三分の二に当たる百六十人を育てる親族らが里親として認定を受けた。
里親制度とは別に岩手、宮城、福島三県が設けた基金は、震災で親を失った遺児や孤児が大学を卒業するなど自立するまで資金を援助する。年齢や県により支給額は異なるが、月額一万~六万円という。小中高校の卒業時にも一時金五万~六十万円を支給する。
集まった寄付金の額は、岩手が約二十六億円(十一月三十日時点)で、宮城が約二十五億円(十二月十九日)、福島は約十一億円(十二月二十七日)。
あしなが育英会は、当初は遺児・孤児に十万~四十万円の特別一時金を支払うこととしていたが、十二月二十日までに寄付が約三十八億八千万円集まり、全員一律で二百万円を支給することとした。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012010402000021.html[0回]