「重症精神障害相当」1割 宮城県が入居者健康調査軒を連ねる仮設住宅。精神的に追い詰められている住民は多い(記事とは関係ありません)
東日本大震災で被災し、宮城県内10市町のプレハブ仮設住宅で暮らす18歳以上の入居者の約1割が精神的な苦痛が著しい「重症精神障害相当」の状態にあることが15日、宮城県が実施した心の健康調査で分かった。男性より女性の割合が高く、80歳以上の女性は13.0%に上った。意欲低下などの心理的ストレスを抱えている人は約半数に達した。
六つの質問で心の健康の状態を測る指標(24点満点)を用いた。18歳以上の被災者のうち「心理的ストレス相当」(5点以上)と判定されたのは45.3%。抑うつ状態が続きがちな「気分・不安障害相当」(10点以上)は19.0%、「重症精神障害相当」(13点以上)は9.5%だった。
いずれもストレスの程度を表す指標で、精神疾患と直接的な関係はないが、震災による喪失体験と不自由な仮設住宅での生活で、被災者が心理的に追い詰められている実態がうかがえる。
「重症精神障害相当」の割合は女性(10.8%)が男性(8.0%)を上回った。比較的高い世代は、男性が70代の9.8%、80歳以上の11.1%、女性は40代の12.7%など。
全回答者のうち不眠の症状を訴えたのは15.3%。朝から飲酒をする被災者は1.8%いた。
県が昨年1~3月、みなし仮設入居者を対象とした同種の調査でも、ほぼ同じ傾向が表れた。県保健福祉総務課の担当者は「精神的なケアを必要とする被災者には、市町の担当者が戸別訪問をするなどして、しっかり対応する」と話している。
調査は昨年9~12月、石巻、塩釜、気仙沼、名取、岩沼、東松島、亘理、南三陸、大郷、美里各市町の計1万5979世帯を対象に実施。58.6%に当たる9366世帯(2万1450人)が回答した。このうち18歳以上は1万4494人。
2013年03月16日土曜日
http://www.kahoku.co.jp/news/2013/03/20130316t13018.htm「復興遅れている」66% 宮城県民意識調査 東日本大震災からの復興をめぐり、宮城県民の66.5%が遅れを感じていることが15日、県が実施した県民意識調査で分かった。津波被災地を抱える沿岸部では遅れを感じている人が7割を超え、復興を実感できていないことが浮き彫りになった。復興街づくりや雇用確保など、国や自治体の施策への不満も目立った。
復旧、復興全般に対する質問では「遅れている」が42.2%、「やや遅れている」が24.3%を占めた。「やや進んでいる」は20.4%、「進んでいる」は4.6%にとどまった。
地域別では、沿岸部で「遅れている」「やや遅れている」が計70.5%だったのに対し、内陸部は計63.8%だった。
県震災復興計画の緊急重点項目別では「遅れている」「やや遅れている」の割合が、「原子力災害への対応」で計75.3%に達した。「雇用・生活資金の確保」は計64.2%、「安全・安心な地域社会の再構築」も計62.5%だった。
施策別の満足度は「沿岸市町をはじめとするまちの再構築」と「雇用の維持・確保」で不満を抱く人の割合が満足する人を上回った。沿岸部で街づくりに不満を感じる人は46.1%だった。災害廃棄物処理、子どもへの支援は「満足」「やや満足」が50%を超えた。
宮城県震災復興・企画部は「被災者視点では、取り組みが十分ではないという結果だと受け止めている。復興を実感してもらえるような施策展開が必要だ」と話している。
調査は昨年12月8~28日、県内の20歳以上の男女4000人を対象に実施。回収率は50.75%。
2013年03月16日土曜日
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