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インタビューズ (2015年6月18日)
安倍政権が進める安全保障政策の転換は、自民党の政治路線の右傾化を象徴するようなものだが、それ以外にも近年自民党は過去の政権が容易に手を出せなかったタカ派色の強い政策を矢継ぎ早に打ち出し、実際に実行している。それはほんの一例をあげるだけても、武器輸出三原則の撤廃、NSCの設置、特定秘密保護法の制定と、枚挙に暇がないほどだ。
これは安倍政権がかつての自民党政権と比べて強い実行力を持った政権であるとの評価を下せる一方で、かなり自民党がタカ派色の強い方向に偏ってきているいることの反映と見ることができる。しかも、こうした急激な右旋回に対して、党内の穏健派やリベラル派と呼ばれる議員からは、まったくといっていいほど声があがってきていない。これもまた、派閥が鎬を削っていた時代のかつての自民党では、到底考えられないことだった。
60年前に旧民主党と自由党の合併によって結成され、タカ派とハト派、リベラル派と保守派の間の絶妙のバランスの下で長年政権を担ってきた自民党が、その安定の源泉でもあったバランスを失ってしまっているかに見える。
自民党はどうしてしまったのか。なぜ自民党は変質してしまったのか。それは今後の日本の政治と針路にどのような影響を与えることになるのか。
比較政治学や政治思想が専門でアメリカやイギリスの政党事情にも詳しい上智大学の中野晃一教授に、ジャーナリストの神保哲生が聞いた。
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