集団移転、宮城県内で初契約 岩沼市と被災の8世帯 東日本大震災で被災した岩沼市の防災集団移転促進事業で、既存住宅団地の「三軒茶屋西地区」に移り住む住民10世帯のうち、8世帯との契約書取り交わしが3日、岩沼市民会館であった。県内で集団移転者と自治体との契約は初めて。早ければ今月末にも住宅が着工され、来春にも入居が始まる。
「取り交わし会」には8世帯のうち二野倉、蒲崎地区に住んでいた3世帯が出席。市との間で土地売買契約と、賃借期間30年の賃貸借契約の2種類の調印が行われた。8世帯中2世帯が購入、6世帯が借りるという。
三軒茶屋西地区は、市が被災地第1号で8月に造成を始めた集団移転先「玉浦西地区」(約20ヘクタール)の東側に隣接。11区画約3200平方メートルを市が約1億円で購入した。借地については市が独自支援として約3年間、借地料全額を補助する。
井口経明市長は「一日も早く家を建てて住んでいただき、被災した他の方々の大きな希望となってほしい。隣接する移転先造成についても全力で臨む」と話している。
2012年11月04日日曜日「河北新報」
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石巻・新蛇田、造成着手 集団移転、1460戸供給へ河北新報 11月5日(月)6時10分配信
宮城県石巻市は4日、東日本大震災の防災集団移転促進事業の新市街地として整備する新蛇田地区の起工式を現地で開いた。市によると、用地面積は46.5ヘクタールで市内最大の移転先となる。本格的な造成工事に近く着手し、2014年10月に宅地供給を始める。
式典には復興庁の郡和子政務官や宮城県の三浦秀一副知事ら約150人が出席した。亀山紘市長は地権者138人に謝意を示し、「被災者の暮らしを取り戻す大きな1歩を踏み出した」と述べた。関係者がくわ入れし、造成開始を祝った。
新蛇田地区は現在、農地で三陸自動車道石巻河南インターチェンジの西側に位置する。災害公営住宅と一戸建て住宅計1460戸分が計画され、3700人が移転する見通し。
20年度までに公園や緑地などを整備する。総事業費は98億5100万円。
このほか、市は三陸道を挟んだ南側の用地27ヘクタールを年度内に、残り14ヘクタールを来年度にそれぞれ地権者から取得し、造成に入ることを目指している。
最終更新:11月5日(月)9時48分
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災害公営住宅2000戸整備 気仙沼市方針河北新報 11月1日(木)8時38分配信
宮城県気仙沼市は31日、東日本大震災で住宅を失った被災者が入居する災害公営住宅を2000戸、市誘導型防災集団移転の宅地を300区画整備する方針を発表した。
地区別の公営住宅戸数は市街地が南気仙沼(320戸)や鹿折(285戸)など7地区で1295戸、郊外部は牧沢(200戸)や面瀬(150戸)など12地区で705戸を整備する。
構造は市街地が鉄筋の集合住宅タイプ、郊外部は木造の一戸建てか長屋住宅タイプになる。着手が最も早い南気仙沼小跡地(160戸)は、2015年1月にも入居が始まる。予定を上回る希望が集まった地区では、周辺に住んでいた人や障害者を優先して入居させる。
市誘導型集団移転は松岩(120区画)や面瀬(85区画)など5地区で宅地を整備する。九条(25区画)の15年3月が最も早い完成になる。
公営住宅はこれまで概算で2200戸と設定していたが、市が今夏に実施した意向調査を踏まえて算出。来年1月末にも集団移転区画とともに仮申し込みを受け付ける。
菅原茂市長は「災害公営住宅は入居希望者を全員受け入れる戸数を建設する。被災者に住まいの場所を早く決めてもらい、気持ちの安定を図れるようにしたい」と話している。
最終更新:11月1日(木)10時22分
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来月 初の宅地申し込み 仙台市、荒井地区へ集団移転産経新聞 10月31日(水)7時55分配信
仙台市は30日、東部沿岸地域で進めている防災集団移転促進事業で、13カ所の移転先のうち荒井公共区画整理地区(若林区)について、宅地申し込みの受け付けを11月11日に開始すると発表した。県内では岩沼市に次いで2例目で、仙台市では初めて。
対象は50~70坪の47宅地。1宅地平均約1900万円。借地も可能で、借地料は年間で地価の1・5%程度になる見通し。宅地はひとまとまりではなく、地区内に点在している。
仙台市の調査では、この地区への移転希望者は54世帯(26日現在)あり、同じ宅地に申し込みが重複した場合は抽選になる。市は申し込み状況を随時公表することにしており、それを参考に宅地を選択するよう呼びかけている。
荒井公共区画整理事業は仙台市が施行者として昭和61年度から実施している。
工事中の地下鉄東西線の始発駅となる荒井駅(仮称)の近くに位置し、既に住宅や商業施設が立ち並んでいるが、一部に空きがあったことから、「早期に移転できる」という被災者の希望で移転先に加えられた。
申し込みの受け付けは11月11日から28日まで。公開抽選は12月16日。移転先宅地の決定後、整備が終わった宅地から順次、売買契約か借地契約を交わし、順調にいけば年明けから住宅の建設が可能になる。
次の宅地申し込みの受け付けは仙台港背後地住宅地区(宮城野区)の予定で、来年1月下旬の見込み。
仙台市東部沿岸地域の防災集団移転計画によると、移転対象戸数は1545戸でこのうち集団移転は837戸、災害公営住宅への入居は373戸、単独移転は335戸となっている。
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東日本大震災:仙台市の防集1545世帯 世帯分離・統合精査で減少--国交相同意 /宮城毎日新聞 10月25日(木)11時19分配信
仙台市は、東日本大震災で被災した沿岸部の防災集団移転促進事業計画について、1706世帯としていた対象世帯を1545世帯に変更し24日、国土交通相の同意を得た。移転に伴う世帯分離や統合などを精査したためで、事業費は約567億円から約544億円に減った。最も造成が早い地区では、年明けにも住宅建設に着手できる見込み。
6月に同意を得た前回計画で1001戸としていた集団移転世帯は、837戸に減少。一方で、単独移転は以前の334戸から1戸増え、災害公営住宅への入居は371戸から2戸増えた。
また、68戸の移転を計画していた荒井駅北地区は、事業期間内での宅地確保の見通しが立たず、計画から除外した。移転の申し出書は、これまでに約92%が集まっており、未提出の世帯には市が個別に連絡を取り、移転希望を尋ねるという。
最も早い荒井公共区画整理地区では、12月に宅地割りを決める抽選を行い、年明けから住宅建設に着手する。【金森崇之】
10月25日朝刊
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30地区、集団移転了承 石巻など4市町の復興整備協 宮城県内7市町の復興整備協議会が25日、県庁であり、石巻、南三陸、七ケ浜、塩釜4市町の計30地区の集団移転事業などを盛り込んだ復興整備計画をそれぞれ了承した。11月上旬をめどに公表され、正式決定する。
集団移転30地区の事業は表の通り。石巻市は19地区560戸1600人の移転が動きだす。小竹浜、立浜、明神、分浜4地区は2013年度に事業が完了する予定。市が計画する48地区のうち43地区で実施段階に入った。
南三陸町では新たに7地区へ194戸840人が移転する。いずれも15年度までの事業を見込む。伊里前の中学校上地区には、自力再建が困難な被災者向け災害公営住宅を整備する。
七ケ浜町の集団移転は既に国の同意を得ている花渕浜笹山地区を含め、3地区212戸804人。松ケ浜、菖蒲田浜両地区には災害公営住宅も造る。渡辺善夫町長は「被災者に寄り添い、着実に事業を進めたい」と抱負を語った。
塩釜市は浦戸諸島の桂島、寒風沢両地区で31戸75人が移転。寒風沢地区は高台に適地がなく、津波浸水区域に盛り土をして安全を確保する。
仙台市の協議会は集団移転6地区で農地を宅地にする面積、移転人数などを変更した。岩沼市では民間3社が出資する企業が実施する太陽光発電事業を了承。亘理町では亘理、吉田各地区の災害公営住宅の整備を認めた。
2012年10月26日金曜日「河北新報」
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東松島、集団移転が始動 野蒜北部を皮切りにまちづくり事業の着手式でくわ入れをする阿部市長(右から4人目)ら
東日本大震災で大きな被害を受けた宮城県東松島市は25日、防災集団移転促進事業を主体とする「復興まちづくり整備事業」の着手式を市野蒜市民センターで開いた。野蒜北部丘陵地区の土地区画整理事業を皮切りに、被災者の住宅再建に向けた事業が始動する。
集団移転は野蒜北部丘陵、東矢本駅北、矢本西、牛網、月浜、大浜、室浜の7地区の事業を一つの事業として実施する。住民は7地区から移転先を自由に選択できる。
野蒜北部丘陵、東矢本駅北両地区は都市再生機構(UR)に業務委託し土地区画整理事業を進め、その他の5地区は市の直轄事業で整備する。
市は住民の個別面談結果などに基づき、移転希望は1395世帯と想定。うち817世帯は移転先で住宅を自力再建し、残る578世帯が災害公営住宅に入居する。
野蒜北部丘陵地区の造成は11月に始まり、残る6地区も本年度内に順次着手する。事業は野蒜北部丘陵が2016年度、その他の地区は15年度の完了を見込んでいる。
式には住民や事業関係者ら約160人が出席。阿部秀保市長は「市民が再び笑顔で生活できるよう一日も早い事業の完了に向けて努力したい」と述べ、「新しいまちづくりを始める」と事業着手を宣言した。
2012年10月26日金曜日「河北新報」
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住宅復興融資、阪神の2割/集団移転進まず、支援機構2012/10/16 19:09
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東日本大震災で住宅が損壊し、新たに建設・購入したり、補修したりする被災者向けに金利などを優遇する住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)の復興融資の利用が、震災後1年半の9月末までで7079件と、阪神大震災後の同期間の2割弱にとどまっていることが16日、分かった。
津波被害が大きかった地域で自治体による高台などへの集団移転が始まっていないことが主因。津波被害のなかった阪神大震災では元の場所に建て替える人が多かった。
東日本大震災の被災地は高齢者が多く、新たに借金して住宅再建するのをためらう人が多い事情もある。
四国新聞-2012年10月16日
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気仙沼の被災宅地、基礎撤去進まず 業者不足、境界問題も基礎部分が多く残る住宅地跡=気仙沼市の大谷地区
東日本大震災の津波で大きな被害を受けた宮城県気仙沼市の住宅地で、建物の基礎(土台)の撤去が進まない。請け負う業者が不足しているのに加え、撤去すべきかどうか判断しかねている被災者も多い。集団移転で行政が跡地を買い取る場合は更地とするのが原則だが、公費による撤去期限は年度末に迫る。市は住民に手続きを呼び掛ける一方、「年度内の撤去完了は難しい」と国に公費撤去の継続を要請する考えだ。
高さ十数メートルの津波に襲われた気仙沼市大谷地区。がれきや被災建物の撤去は終わったが、住宅の基礎のほとんどが残る。
「知り合いの業者に頼んだが、ほかの仕事が忙しく待ってくれと言われた」。約120世帯が参加する集団移転で協議会長を務める自営業佐々木和信さん(58)が嘆く。
市が基礎撤去を奨励しているのは、集団移転の対象地区のほか、基礎を作り直して自宅を再建したり、借地を更地にして返したりする場合などで、年度内は環境省の補助事業で自己負担なく撤去できる。
所有者が自分で業者に撤去を申し込み、市は完了後の審査を経て費用を業者に支払う。
市が業者からの聞き取り結果をまとめたところ、8月末現在の撤去依頼は1332件で、作業が完了したのは12.7%。
市内の建設業関係者によると、基礎の撤去はがれき処理に比べて提出書類が多く手間が掛かる上に、1件ずつの受注で作業効率、採算性が低く、住宅の新築や復旧工事に比べ、後回しになりがちだという。
一方、市は本来必要な撤去の申し込みをしていない被災者も相当数に上るとみている。「撤去に踏み切っていいケースなのか分からない」という住民も多いからだ。
住民が戸惑っている背景には、市が将来のトラブルを心配し、撤去の依頼前に土地境界の問題を当事者同士で整理するよう呼び掛けていることが一因だ。これまで隣人と境界問題を抱えたことがなくても、基礎の撤去で境界があいまいになり、トラブルになりかねないと考える住民が少なくないようだ。
市は住民の迷いを解消するため、まずは相談窓口に出向くよう呼び掛けている。
小野寺和人市民生活部長は「現状を踏まえれば年度末までの撤去完了は困難。住民負担が生じないよう他市町と連携して働き掛けていきたい」と国に事業継続を求める考えだ。
環境省は「年度末が近づいた段階で状況を見て、継続するかどうか検討したい」と話している。
2012年10月14日日曜日[河北新報]
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