山積みの衣類、行き先は未定 石巻市、在宅被災者に配布生活用品セットの配布に向け、大量の支援物資を移動させる市職員=9日、石巻市民会館
東日本大震災で大量の支援物資が全国各地から寄せられた宮城県石巻市が、保管中の物資の扱いに苦慮している。震災から1年8カ月となり、緊急的な配給の必要性は弱まった。苦肉の策として市は10、11の両日、比較的需要のある生活用品セットを在宅被災者に配るが、山積みの衣類は宙に浮いたままだ。
市は昨年11月で被災者向けの物資配給を終了した。残った物資のうち飲料水や仮設トイレなどは防災用に備蓄。賞味期限が切れてしまった食品の一部はやむを得ず処分したが、その他は旧石巻青果花き地方卸売市場と市民会館に保管していた。
老朽化などで市民会館は近く解体されることが決定。市は「あっても困らない」と判断した歯ブラシ、せっけんなどの生活用品については急きょ、2日間に計1万8000セットを在宅被災者に限定して配布することにした。
最も扱いに窮しているのは旧市場を占めている衣類だ。市は「数千着以上はある」としている。配布するにしてもサイズなどがふぞろいの衣類を分類しなければならず、多くの人出と時間を要するため対応を決めかねている。
市は「せっかく送ってもらった立場。善意を無駄にすることがないよう、生活困窮者への配分を含めて検討したい」と話している。
生活用品の配布は午前8時半~午後5時(11日は午後2時まで)、市民会館駐車場脇で行われる。先着順で、市の罹災(りさい)証明書が必要。
2012年11月10日土曜日
http://www.kahoku.co.jp/news/2012/11/20121110t13032.htm[0回]
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